マー君の米国株投資

書斎から語る米国株投資

大統領選挙が株式相場に与える影響

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2020
米大統領選挙は民主党のバイデン候補の勝利となりましたが、大統領選挙が株式市場に与える影響について「アノマリー投資」からその内容を紹介します。

 

  

アノマリー投資」(ジェフリー・A・ハーシュ著)本書の著書は「ストックレイダース・アルマナック」の編集長である。2012年までの米国株式市場の季節性やアノマリー統計の詳細を説明している。

アノマリー(Anomaly)とは、マーケットの動きについて合理的な説明ができない現象のことをいう。

 

1833年以降の44政権で前半の2年(大統領選挙の翌年と大統領選挙の翌々年)と後半の2年(大統領選挙の前年と大統領選挙の年)の比較

・前半の2年を合計した相場のダウ平均総上昇率 273.1

・後半の2年を合計した相場のダウ平均総上昇率 724

後半の2年間の方が圧倒的に高い傾向がある。これは大統領は痛みを伴う取り組みのほとんどを任期の前半に行う。そして後半になると景気刺激策を打って投票前に好景気になるように操作をするためである。

 

 

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 資料引用「アノマリー投資」

 

民主党共和党の大統領の下でのダウ平均の動き

共和党の大統領期間の年間ダウ平均上昇率 6.8

民主党の大統領期間の年間ダウ平均上昇率 10.0

 

■2021年1月5日のジョージア州上院議員選挙によって民主党が2議席獲得が確実となりました。大統領選に加え上下両院で多数派を獲得する「トリプルブルー」なりましたが、過去のアノマリーの大統領と議会勢力の組み合わせによるダウの年平均上昇率の過去の相関関係は

 

・大統領が民主党・議会も民主党では7.4%の上昇

・大統領が民主党・議会は共和党の場合が最も株価の上昇が大きく19.5%

・大統領が民主党・議会が上院と下院でねじれのケースでは5.5%の上昇

 

 アノマリーによれば民主党が両院の過半数を取ったことは上院下院のねじれのケースに比べ株式相場にとっては好影響を与えることになります。

 

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 資料引用「アノマリー投資」

 

 

■現職大統領が負けた時の株価との相関関係

・2020年の大統領選挙では、現職のトランプ大統領が負けましたが、過去の株価との相関関係は、1944年以降では現職大統領に人気があるときは相場は早くから上昇する傾向がある。しかし不人気な政権が交代すると決まったときの11・12月の相場はもっと上昇する。

 

・現職が敗れたときには、大統領選挙の年は1・2・9・10月が最も悪い相場になる。

 

■2020年のS&P500の月間推移を検証すると

・2・3月の大幅な下落は新型コロナウイルスの影響による下落、4・5月は2・3月の下落のリバウンドによるものであると思われる。9月以降は大統領選挙が大きなテーマになったなかで9・10月が下落、11・12月が上昇した相場はアノマリーに沿った展開になったと言えるのではないかと思う。

 

 

2020年 S&P500 月間推移

 
         

始値

終値

変動幅

変動率

1

3244.67

3225.52

-19.15

-0.590%

2

3235.66

2954.22

-281.44

-8.698%

3

2974.28

2584.59

-389.69

-13.102%

4

2498.08

2912.43

414.35

16.587%

5

2869.09

3044.31

175.22

6.107%

6

3038.78

3100.29

61.51

2.024%

7

3105.92

3271.12

165.2

5.319%

8

3288.26

3500.31

212.05

6.449%

9

3507.44

3363

-144.44

-4.118%

10

3385.87

3269.96

-115.91

-3.423%

11

3296.2

3621.63

325.43

9.873%

12

3645.87

3756.07

110.2

3.023%

 

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<まとめ>

〇大統領選挙の翌年である2021年は、過去のアノマリーによると株式相場は低迷する可能性が高い。

ジョージア州上院議員選挙の結果によりトリプルブルーになったことで上下両院ねじれの場合よりも株式相場には好影響を与える可能性が高まった。 

〇2020.年の米国株式相場は、コロナ渦の特殊要因が大きかったが、大統領選挙の年に現れる特有の株価変動の現象も見られた。