マー君の米国株投資

書斎から語る米国株投資

焦らず、ゆっくりリッチになろう

アノマリー投資」の中でジェフリーAハーシュは3月は株式市場にとって「波乱の3月」と言っていますが今年の3月もまさに乱高下を繰り返しています。

3月は第一四半期末をにらんでウォール街ポートフォリオの調整を盛んに行っている月であります。きっと月末までアップダウンが続くことを覚悟しておきましょう。

 

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また、3月17日はトリプルウイッチングですので大きい値動きがあることでしょう。

※トリプルウィッチング…株式先物取引株価指数オプション取引、個別株オプション取引の3つの取引期限満了日が重なる日のこと。3月、6月、9月、12月の第3金曜日がそれにあたる。

 

ただ、私は現在、リーマンショック以後から続く長期成長トレンドの最中にあると思っています。長期投資家にとっては割安になったときはバーゲンセールであり積極的に拾っていくつもりであります。

 

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そして4月は過去30年間のダウ平均株価において最も成績がよい月ですので良い結果を楽しみに待ちたいと思います。

 

※2006年から2020年の15年間でのダウ平均株価をみると4月のマイナスはたったの1回だけ、15年間の平均の月間上昇率は4.74%と最高の成績。

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3月の米国株価のアノマリーを検証

 

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1991年から2020年までの30年間におけるダウ平均株価の変動をみると3月の月間騰落率は平均1.3%と月の中では4番目とまずまずの水準である。また、30年間のうち上昇19回、下落11回であった。

 

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アノマリー投資」(著者ジェフリーAハーシュ)によれば3月相場の特徴は、月初めに押し上げられて月末に打ちのめされる傾向がある。3月は中旬ごろに下げがちで時にはかなりの急落をみせることがある。また、第一四半期のおありでトリプルウィッチングの満期日であるためウォール街ポートフォリオの調整を盛んに行う。

 

※トリプルウィッチング…株式先物取引株価指数オプション取引、個別株オプション取引の3つの取引期限満了日が重なる日のこと。3月、6月、9月、12月の第3金曜日がそれにあたる。

 

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ところで昨年の3月の第3金曜日(2020年3月23日)は、コロナ危機の影響の中の終わり値の最安値(18591.93ドル)を付けましたね。今年も要注意だと思います。

 

2月の米国相場アノマリーをさらに検証してみた。

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 ■ダウ平均の過去30年間の月ごとの騰落率を調べてみると

 

 ① 4月 3.43%

② 11月 1.67%

③ 12月 1.56%

④ 3月 1.3%

⑤ 7月 1.14%

⑥ 10月 1.11%

⑦ 5月 0.51%

⑧ 1月 0.1%

⑨ 8月 -0.09%

⑩ 9月 -0.32%

⑪ 2月 -0.35%

⑫ 6月 -0.67%

 

2月は6月に次いで2番目に悪い結果でした。 

 

■またダウ平均30年間で月間の下落幅10%以上の月が11回ありましたが、そのうち2月が3回(2001年、2009年、2020年)もあり2月は大幅な下落の確率が一番高い非常に危険な月である。

 

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■もっとも成績の悪い6月は10%以上の下落は1回だけだが30年間で月間のマイナスが16回もあり平均のパフォーマンスは一番悪い。

 

■2月は30年間で月間のマイナスは8回と6月の半分であるが大きく下落することが度々あり平均下落率を悪くしている。

 

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まとめ>

〇2月のパフォーマンスの特徴を考えてみた

・株式運用担当者は、2月は3月の期末をにらんで利益確定のタイミングを考える時期でありネガティブな情報により一旦下落を始めるとリスク回避の行動に一斉に動き大幅な下落を引き起こす。

・ネガティブな情報が出た場合の2月は要注意の月である。

 

2月の米国株相場動向を過去のデータを基に予想してみた。

■2月の株式相場は弱く、とっても不安定な相場になるとのアノマリー(経験則)がありますが、過去30年間のダウ平均株価の推移をもとにその傾向を検証してみます。

 

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■ダウ平均30年間で2月の月間の下落回数は11回。

□1月の相場推移との関連性

・1月のマイナス相場は30年間で12回、うち2月もマイナスは5回、プラスは7回。マイナスの確率は58.3%。

・1月のプラス相場は30年間で18回、うち2月もマイナスは6回、プラスは12回。マイナスの確率は33.3%。

 

■1月の月間の下落幅をマイナス4%以上・未満で区切ってみると。

①4%以上のマイナスの回数は30年間で5回。うち2月もマイナスは3回、プラスは2回。マイナスの確率は60%。

②4%未満のマイナスの回数は30年間で7回。うち2月もマイナスは2回、プラスは5回。マイナスの確率は28.6%。

・1月が4%以上のマイナスだと市場は下落トレンドと読んで2月は引き続きマイナスになる傾向にあり、4%以下だと調整が入りプラスになる傾向が高いと考えられます。

 

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■2021年1月のマイナス幅は2.04%でしたので、②のパターンに該当するため過去の実績からは2月相場のマイナス確率は28.6%でありプラスになる確率が高い推定されます。

 

■2月の株式相場がネガティブに捉えられるのは過去に大幅な下落があったからだと考えらえます。

 

過去30年間で月間10%以上の下落は

   2020年 ▲10.1%  コロナ蔓延

   2012年 ▲18.3%  欧州債務問題

   2009年 ▲11.7%  リーマンショック

と3回もあります。ちなみに同様の30年間における1月の月間10%以上の下落は0回です。

 

■「アノマリー投資」(著者ジェフリーAハーシュ)の中では「2月は1月のパフォーマンスに基づいて、相場の見通しを再評価して調整するので調整やもみ合いが起きやすい。」と述べられています。

 

NYダウ平均株価 過去データ

         

 

前年11月

前年12月

1月

2月

終値

終値

終値

終値

2021

29,638.64

30,606.48

29,982.62

?

2020

28,051.41

28,538.44

28,256.03

25,409.36

2019

25,538.46

23,327.46

24,999.67

25,916.00

2018

24,272.35

24,719.22

26,149.39

25,029.20

2017

18,123.58

19,762.60

19,864.09

20,812.24

2016

17,719.92

17,425.03

16,466.30

16,516.50

2015

17,828.24

17,823.07

17,164.95

18,132.70

2014

16,086.41

16,576.66

15,698.85

16,457.66

2013

13,025.58

13,104.14

13,860.58

14,054.49

2012

12,045.68

12,217.56

12,632.91

10,325.26

2011

11,006.02

11,577.51

11,891.93

12,226.34

2010

10,344.84

10,428.05

10,067.33

10,325.26

2009

8,829.01

8,776.39

8,000.86

7,062.93

2008

13,371.72

13,264.82

12,650.36

12,266.39

2007

12,221.93

12,463.15

12,621.69

12,268.63

2006

10,805.87

10,717.50

10,864.86

10,993.41

2005

10,428.02

10,783.01

10,489.94

10,766.23

2004

9,782.46

10,453.92

10,488.07

10,583.92

2003

8,896.09

8,341.63

8,053.81

7,891.08

2002

9,851.56

10,021.57

9,920.00

10,106.13

2001

10,414.49

10,787.99

10,887.36

10,495.28

2000

10,877.81

11,497.12

10,940.53

10,128.31

1999

9,116.55

9,181.43

9,358.83

9,306.58

1998

7,823.10

7,908.30

7,906.50

8,545.72

1997

6,521.70

6,448.27

6,813.09

6,877.74

1996

5,074.49

5,117.12

5,395.30

5,485.65

1995

3,739.23

3,834.44

3,843.86

4,011.05

1994

3,683.95

3,754.09

3,978.36

3,832.02

1993

3,305.20

3,301.11

3,310.00

3,370.81

1992

2,894.68

3,168.83

3,223.40

3,267.70

1991

2,559.65

2,633.66

2,736.39

2,882.18

<まとめ>

〇今年の2月相場の予測は、1月の相場の動きから推測すると2月相場のマイナスの確率は28.6%であり、プラスになる確率が高い推定されます。

 

〇2月は大幅な相場下落の過去があり、注意すべき月となっています。

 

 

今年の株式市場の傾向は、1月の相場状況から判断できる?

 

■「1月バロメーター」とは?

・1年の動きは1月の動きに似るというアノマリーがあります。

・1月に下げた後はほとんどの場合、下げた後は弱気相場が始まるか引き続き10%の調整か横ばいの年になることが多い。2012年までのデータでは、1月に下げた後は平均してマイナス13.9%というかなりの下落が起きています。

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・1月に下落すると、経済か政治か軍事でその後に問題が起こる前兆になるケースが多い。

・なぜ1月に予測力があるかというと、この月には重要なイベントが多いことが理由と考えられます。例年1月には、議会が新たに招集され、大統領は一般教書演説をして年間予算を提示し、国家目標と優先事項を決める。これらのイベントは明らかに国内経済とウォール街に多くに影響を及ぼす。それに加えて1月は資金が流入ポートフォリオが見直されトレード戦略が策定されます。

今年は、まだバイデン大統領による一般教書演説は行われていませんが、1月20日にバイデン新大統領の就任演説があり国民に対して重要なメッセージを発しています。

 

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過去30年間の1月のダウ平均の動きと年間株価のデータをみると

NYダウ平均株価 過去データ

             

 

1月

年間

始値

終値

増減

始値

終値

増減

2021

30,627.47

29982.62

-644.85

30,627.47

?

?

2020

28,638.97

28,256.03

-382.94

28,638.97

30,606.48

1,967.51

2019

23,058.61

24,999.67

1,941.06

23,058.61

28,538.44

5,479.83

2018

24,809.35

26,149.39

1,340.04

19,872.86

23,327.46

3,454.60

2017

19,872.86

19,864.09

-8.77

19,872.86

24,719.22

4,846.36

2016

17,405.48

16,466.30

-939.18

17,405.48

19,762.60

2,357.12

2015

17,823.07

17,164.95

-658.12

17,823.07

17,425.03

-398.04

2014

16,572.17

15,698.85

-873.32

16,572.17

17,823.07

1,250.90

2013

13,104.30

13,860.58

756.28

13,104.30

16,576.66

3,472.36

2012

12,221.19

12,632.91

411.72

12,221.19

13,104.14

882.95

2011

11,577.43

11,891.93

314.50

11,577.43

12,217.56

640.13

2010

10,430.69

10,067.33

-363.36

10,430.69

11,577.51

1,146.82

2009

8,772.25

8,000.86

-771.39

8,772.25

10,428.05

1,655.80

2008

13,261.82

12,650.36

-611.46

13,261.82

8,776.39

-4,485.43

2007

12,459.54

12,621.69

162.15

12,459.54

13,264.82

805.28

2006

10,718.30

10,864.86

146.56

10,718.30

12,463.15

1,744.85

2005

10,783.75

10,489.94

-293.81

10,783.75

10,717.50

-66.25

2004

10,452.74

10,488.07

35.33

10,452.74

10,783.01

330.27

2003

8,342.38

8,053.81

-288.57

8,342.38

10,453.92

2,111.54

2002

10,021.71

9,920.00

-101.71

10,021.71

8,341.63

-1,680.08

2001

10,790.92

10,887.36

96.44

10,790.92

10,021.57

-769.35

2000

11,501.85

10,940.53

-561.32

11,501.85

10,787.99

-713.86

1999

9,184.01

9,358.83

174.82

9,184.01

11,497.12

2,313.11

1998

7,910.20

7,906.50

-3.70

7,910.20

9,181.43

1,271.23

1997

6,447.50

6,813.09

365.59

6,447.50

7,908.30

1,460.80

1996

5,115.70

5,395.30

279.60

5,115.70

6,448.27

1,332.57

1995

3,834.40

3,843.86

9.46

3,834.40

5,117.12

1,282.72

1994

3,754.10

3,978.36

224.26

3,754.10

3,834.44

80.34

1993

3,301.10

3,310.00

8.90

3,301.10

3,754.09

452.99

1992

3,152.10

3,223.40

71.30

3,152.10

3,301.11

149.01

1991

2,627.23

2,736.39

109.16

2,627.23

3,168.83

541.60

 

■1991年から2001年の30年間のうち年間でマイナスになった年は6回あり、2001年を除いて5回は1月の株価がマイナスであった。2001年は9月に同時多発テロがあった年であり9月に株価は大幅に下落した年であった。

■1月がプラスでスタートを切った年は30年間で17回、そのうち実に16回は年間指数でもプラスを維持しています。プラスの確立は94.11%。

 

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■今年の1月は、-644.85のスタートとなり2021年の相場低迷を予感させるスタートとなりました。

 

 

<まとめ>

〇1月は1年間の相場傾向を占う「1月バロメーター」という傾向がある。

〇今年の1月相場は下落で始まり年間の相場低迷を予感させるスタートとなった。

 

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大統領選挙が株式相場に与える影響

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2020
米大統領選挙は民主党のバイデン候補の勝利となりましたが、大統領選挙が株式市場に与える影響について「アノマリー投資」からその内容を紹介します。

 

  

アノマリー投資」(ジェフリー・A・ハーシュ著)本書の著書は「ストックレイダース・アルマナック」の編集長である。2012年までの米国株式市場の季節性やアノマリー統計の詳細を説明している。

アノマリー(Anomaly)とは、マーケットの動きについて合理的な説明ができない現象のことをいう。

 

1833年以降の44政権で前半の2年(大統領選挙の翌年と大統領選挙の翌々年)と後半の2年(大統領選挙の前年と大統領選挙の年)の比較

・前半の2年を合計した相場のダウ平均総上昇率 273.1

・後半の2年を合計した相場のダウ平均総上昇率 724

後半の2年間の方が圧倒的に高い傾向がある。これは大統領は痛みを伴う取り組みのほとんどを任期の前半に行う。そして後半になると景気刺激策を打って投票前に好景気になるように操作をするためである。

 

 

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 資料引用「アノマリー投資」

 

民主党共和党の大統領の下でのダウ平均の動き

共和党の大統領期間の年間ダウ平均上昇率 6.8

民主党の大統領期間の年間ダウ平均上昇率 10.0

 

■2021年1月5日のジョージア州上院議員選挙によって民主党が2議席獲得が確実となりました。大統領選に加え上下両院で多数派を獲得する「トリプルブルー」なりましたが、過去のアノマリーの大統領と議会勢力の組み合わせによるダウの年平均上昇率の過去の相関関係は

 

・大統領が民主党・議会も民主党では7.4%の上昇

・大統領が民主党・議会は共和党の場合が最も株価の上昇が大きく19.5%

・大統領が民主党・議会が上院と下院でねじれのケースでは5.5%の上昇

 

 アノマリーによれば民主党が両院の過半数を取ったことは上院下院のねじれのケースに比べ株式相場にとっては好影響を与えることになります。

 

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 資料引用「アノマリー投資」

 

 

■現職大統領が負けた時の株価との相関関係

・2020年の大統領選挙では、現職のトランプ大統領が負けましたが、過去の株価との相関関係は、1944年以降では現職大統領に人気があるときは相場は早くから上昇する傾向がある。しかし不人気な政権が交代すると決まったときの11・12月の相場はもっと上昇する。

 

・現職が敗れたときには、大統領選挙の年は1・2・9・10月が最も悪い相場になる。

 

■2020年のS&P500の月間推移を検証すると

・2・3月の大幅な下落は新型コロナウイルスの影響による下落、4・5月は2・3月の下落のリバウンドによるものであると思われる。9月以降は大統領選挙が大きなテーマになったなかで9・10月が下落、11・12月が上昇した相場はアノマリーに沿った展開になったと言えるのではないかと思う。

 

 

2020年 S&P500 月間推移

 
         

始値

終値

変動幅

変動率

1

3244.67

3225.52

-19.15

-0.590%

2

3235.66

2954.22

-281.44

-8.698%

3

2974.28

2584.59

-389.69

-13.102%

4

2498.08

2912.43

414.35

16.587%

5

2869.09

3044.31

175.22

6.107%

6

3038.78

3100.29

61.51

2.024%

7

3105.92

3271.12

165.2

5.319%

8

3288.26

3500.31

212.05

6.449%

9

3507.44

3363

-144.44

-4.118%

10

3385.87

3269.96

-115.91

-3.423%

11

3296.2

3621.63

325.43

9.873%

12

3645.87

3756.07

110.2

3.023%

 

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<まとめ>

〇大統領選挙の翌年である2021年は、過去のアノマリーによると株式相場は低迷する可能性が高い。

ジョージア州上院議員選挙の結果によりトリプルブルーになったことで上下両院ねじれの場合よりも株式相場には好影響を与える可能性が高まった。 

〇2020.年の米国株式相場は、コロナ渦の特殊要因が大きかったが、大統領選挙の年に現れる特有の株価変動の現象も見られた。